チョコレート中毒
中毒を起こし得る最も身近な食品の1つです。中毒を起こす成分はカカオに含まれるメチルキサンチン系の化合物であるテオブロミンやカフェインであり、摂取量に応じて過剰な興奮、頻脈、不整脈や痙攣などを引き起こす可能性があります。
ネギ中毒
ネギ、タマネギやニンニクなどを摂取することで起こり得るネギ中毒はよく知られている中毒の1つです。嘔吐や軟便、下痢などの症状が1~数日で現れます。また摂取すると赤血球膜の障害やヘモグロビンの酸化により貧血を引き起こします。加熱調理や乾燥加工されていても発症するため注意が必要です。
キシリトール中毒
ガムやキャンディー、デンタル製品などに含まれる人工甘味料の一種であり、体内に吸収されるとインスリン分泌を刺激して低血糖を引き起こします。また同時に肝障害を引き起こす可能性もある非常に危険な中毒の1つです。
アセトアミノフェン中毒
ヒト用の風邪薬(市販の解熱鎮痛剤や感冒薬)の多くの主成分であるアセトアミノフェンは、摂取後1~4時間ほどで流涎、顔面の浮腫、チアノーゼ、貧血や肝障害を引き起こすことがあります。熱がありそうだと感じても市販のものは与えないでください。
ブドウ中毒
原因物質はわかっていませんが、近年になってブドウ中毒が報告されるようになりました。摂取をしても無症状の子もいれば嘔吐、元気消失、下痢や腎障害を引き起こす子もいるため、与えることは控えましょう。
以上のように、ヒトが摂取しても無害なものでも、わんちゃんにとっては非常に有害な反応を引き起こすものは多く存在します。誤って食べてしまった場合は、発見が早ければ催吐処置を実施したり、吸着剤の投薬で毒素の吸収を抑えたりすることができます。種類や量によっては胃洗浄や内視鏡による摘出が必要になる場合もあるため、誤って食べてしまった際に不安なときはいつでもご相談ください。