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爬虫類の脱水

爬虫類、特に肉食系の種類(ヘビやトカゲ)は絶食絶水に非常に強いです。中でもヘビさんは、年単位で一切食餌を口にしなかった子がある日突然食べるようになった、なんて話もあるほどです。では、飼育している子たちがご飯を食べない、水を飲まないという状態になった時、放置しておいて良いものでしょうか。

答えはNO

特に水を飲まない場合、無症状でも実際は腎臓に負担をかけていることがあるのです。

そこで今回は、脱水を起こした場合どうなるのか、ご紹介します。

 

【腎不全】

高齢のネコちゃんで腎臓が悪くなっていくのは有名かもしれませんが、水不足に強い爬虫類なら腎臓も丈夫なのでは?

いえいえ、実はトカゲさん、カメさんやヘビさんでも同様なことが起こります。じゃあ普段水の中にいるカメさんは大丈夫?

実はそんなことはなく、生活環境にある水が汚れている場合、カメさんはお水を飲まなくなり脱水を起こします。

水を十分摂取出来ないと腎臓に負担がかかり、悪化すると食欲不振につながります。普段水の中にいるのに脱水を起こすなんてなんだか不思議な気がしますよね。

 

【結石】

人間、特に男性において激痛を呈するものとして恐れられている病気、尿道結石。実はこれも爬虫類で起こります。といっても身体の構造が違うため、そのほとんどは膀胱や総排泄腔と呼ばれる部分にできてきます。痛みは発生しないこともありますが、消化管を圧迫したり出口を塞いだりして命に関わることも多い病気です。この原因の一つにも、脱水があげられます。

特にカメレオンやリクガメなどでは、水入れに水を入れているだけではきちんと水を摂取できないことも多く、脱水になりやすいといわれています。爬虫類での脱水の評価は哺乳類と違いとても難しく、血液検査を行っても軽度のものでは検出できないことも多くあります。腎不全や結石などの症状が出るころには、病態がかなり進んでいることも多いため、常日頃からの健康チェックをお勧めします。また、ご飯を食べない、水を飲まないなどの原因は飼育環境に問題があるかもしれません。

毎日の健康管理などの相談なども承っているのでお気軽にお申し付け下さい。

アクセス

神戸市営地下鉄線妙法寺駅徒歩10分