はじめに
腎臓は体に必要なもの、不必要なものを仕分けしてくれる臓器であり、
血液を作るためのホルモンを作ってくれる臓器でもあります。
ネコは他の動物と比べて腎臓の病気にかかりやすい動物です。
今回は、ネコちゃんに多い慢性腎不全についてお話しします。
慢性腎不全とは
腎臓が徐々にうまく働かなくなる病気で、高齢のネコちゃんに多いです。
腎臓は一度壊れると元に戻る事ができないので、早く病気に気づき
腎臓のはたらきを支える治療を始めることが大切です。
腎臓がうまく働かなくなると…
①体に必要のないものを体の外に出せなくなる
体に不必要なものが溜まっていき、口臭が気になるようになったり、
嘔吐や下痢などの消化器症状、元気がなくなったり食欲が
なくなったりします
②体に残す必要のある水分もおしっことしてたくさん出してしまう
たくさんおしっこをするようになったり、
お水の飲む回数や量が増えたりします
③血液を作るホルモンが作れなくなる
血液を十分に作れなくなり貧血症状がみられます
主な検査
【血液検査】
体に不必要なものが溜まっていくと、血液検査で尿素窒素(BUN)や
クレアチニン(Cre)、リン(P)などの数値が高くなります。
また血液を作るホルモンが少なくなるため、赤血球数(RBC)や
ヘマトクリット値(Ht)などの数値が低くなり貧血を示めします。
【尿検査】
水分の多いおしっこになるため尿比重が少なくなってきたり、
尿たんぱくがでたりします。
【画像検査(レントゲン検査、超音波検査)】
腎臓の大きさや構造などに問題がないか確認します。
最後に
腎臓の病気は完全に予防することはできませんが、
適切でこまめなケアをしてあげることで、腎臓の病気とうまく付き合い、
ネコちゃんといる時間をより過ごしやすくすることができます。
そのためには症状が出ていなくても定期的な健康診断を受けて、早期にネコちゃんの異常を発見する事が重要です。当院では、
ネコちゃんの健康診断も行っています。詳しくは病院スタッフまで
お問い合わせください。