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猫の下部尿路疾患

寒い季節になると飲水量が低下し、泌尿器疾患が多くなります。

特に猫ちゃんは膀胱炎になりやすい子が多いので

気を付けるべき点をまとめました。ぜひ参考にしてください。

 

  1. どうして膀胱炎になるの?

猫の下部尿路疾患の65%は原因が明らかでない特発性膀胱炎(FIC

であると報告されています。これは体質的な問題で、

尿中に排出している有害物質が膀胱の粘膜に浸潤しやすく、

炎症を引き起こしやすい為であると言われています。

 

  1. どんな症状が見られますか?

血尿、有痛性排尿困難(排尿時の悲鳴)、

不適切な場所での排尿、頻尿、尿道閉塞などが見られます。

まずはおかしいなと思ったらおしっこをお持ちいただいて

尿検査を行うことで原因の推定ができます。

中には「腹部の違和感によってお腹を舐めてハゲてしまった」

という症状から見つかることもあります。

 

  1. どんな事に気を付けたらいいですか?

肥満、神経質な性格、飲水量の少なさ、運動不足、

引っ越しなどの環境変化がリスク因子になると報告されています。

特にFICの子はストレスに弱いと考えられています。

なので心を落ち着けるミルクプロテインなどが配合された

フードに変更することにより発生率を下げられます。

また、尿石症の子も結晶・結石溶解用フードで治療することができる

場合もありますのでまずは尿検査から始めましょう。

どんな原因でも、飲水量を増やし、適度な運動を行って

肥満にならない事は膀胱炎を含めあらゆる病気の予防に有効です。

飲水量を増やす工夫として水飲み場を増やしてあげたり、

循環型の水飲み器を利用するとよい場合があります。

運動不足の解消にはキャットタワーの設置もよいでしょう。

 

  1. 治療方法

膀胱炎では細菌の二次感染を生じやすく、

尿検査で細菌が検出された場合には抗生剤での治療が必要となります。

特に結石や炎症により尿路閉塞を生じ、

排尿ができなくなってしまうと1日でも命に関わる危険性がありますので

注意しましょう。結石による閉塞であれば外科手術により

摘出する必要がある場合もあります。フードを変更するだけで

治る場合もありますので、トイレの失敗など気になる事があれば

お気軽にご相談下さい。

アクセス

神戸市営地下鉄線妙法寺駅徒歩10分