近日、わんちゃんやねこちゃんに対する知見も広がり、タマネギやチョコレート、ブドウ等与えてはいけない中毒物に対する知識は飼い主様の中にも浸透しているように思われます。しかし、普段気にかけていない物でもちょっとしたことが原因で消化管に詰まらせてしまい、重篤な疾患を引き起こしかねない物があります。今回は、何気なく与えているけれども、時には危険を伴う可能性がある物をいくつか紹介いたします。
歯磨きガム
歯の健康のために歯磨きガムを与える飼い主様は大勢いらっしゃるかと思います。しかし、そんなガムも要注意です。歯磨きガムは適度な硬さと大きさ、与え方が重要です。そのまま与え、丸呑みしてしまった結果、食道内に詰まり、流涎や苦悶を伴う嘔気を呈することがあります。重度なものでは気道の圧迫による呼吸困難を引き起こし、生命の危機につながる問題を引き起こしかねません。噛まずに飲み込むわんちゃんには必ず飼い主様がガムを手に持ち、丸呑みすることを防ぐようにしましょう。(同じように食道に詰まるものとして、ジャーキーやリンゴがあげられます。)
おもちゃ
普段なにげなく遊んでいるおもちゃでも、口にくわえたおもちゃを飼い主様が急に取り返そうとすると、取られないように慌てて飲みこんでしまうことがあります。飲み込んだ物の大きさや形状次第では催吐処置や内視鏡下での摘出、お腹を開ける手術が必要となる場合もあります。誤飲を防ぐために、おもちゃを取り上げる際にはおやつを差し出すなどして誤って飲み込まないように気を付けましょう。ねこちゃんはわんちゃんと比較して催吐しにくいことが知られています。ネズミのおもちゃやロープ状のおもちゃを誤飲することが多くあります。一大事になる前に、危険なおもちゃは使用しないようにしましょう。
どんぐり
散歩中に食べてしまうわんちゃんがいるそうです。小さなものは消化されず便として排出されることが多いですが、サイズによっては腸閉塞を起こす危険があります。散歩中に拾い食いをしてしまうわんちゃんは、口輪を付けて誤飲を予防しましょう。
わんちゃんやねこちゃんは興味のある物は何でも口にしようとします。異物誤飲の多くは、飼い主様の心がけ次第で予防することが可能です。わんちゃん、ねこちゃんの目線になって、誤飲の危険がある物は置かないようにしましょう。万が一何かを誤飲してしまった際はすぐに病院に相談していただきますようお願いいたします。