前回に引き続き、今回はノミマダニ予防薬の紹介です。
具体的な予防薬の紹介の前に、ノミやマダニに関する病気についてお話しさせていただきます。
ノミの感染症としてよく知られているものには、「ノミアレルギー性皮膚炎」があります。寄生したノミが吸血するときに、体内に侵入したノミの唾液やノミフンに対してアレルギー反応を起こす病気です。ノミアレルギー性皮膚炎を発症すると、激しいかゆみから体を掻く、かじるといった行動がみられるようになります。このような症状は抗炎症薬の投与によりある程度は改善しますが原因となるノミを駆除し、今後寄生されないようにしなければノミが寄生するたびに同じような皮膚症状を起こすことになります。
マダニの感染症として知られているものには、「犬バベシア症」があります。マダニによって媒介されたバベシア属の原虫がわんちゃんの赤血球に寄生し破壊します。貧血や発熱などの症状が認められ、急性の場合は死に至ることもあります。
他に、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」という病気があります。ダニが媒介するウイルスが原因と考えられており、人にも感染する感染症で2013年には日本で初めて死亡例が報告された恐ろしい病気です。
ノミやマダニは1年を通して寄生することが知られているため、以上のような感染症から身を守るためには通年予防が必要といわれております。ノミマダニの予防薬には、フィラリアのお薬と同様に、スポットタイプのお薬やおやつタイプのお薬など様々な物がありますので、わんちゃんねこちゃんにとって最適な予防薬を選んであげましょう。それでは、当院でご用意させていただいている予防薬について紹介させていただきます。
【フロントラインプラス】
ねこちゃんだけでなく、わんちゃんにも使用できるスポットタイプの予防薬です。
飲み薬の投薬が難しいわんちゃんにはおすすめです。
【ブロードライン】
ねこちゃん用のスポットタイプの予防薬です。ノミマダニだけではなく、フィラリアの予防も可能となっています。
【ブラベクト錠、ブラベクトスポット】
一般的に使用されるノミマダニの予防薬は1か月に1回の投薬が必要ですが、ブラベクトは効果が3か月持続するため、
毎月投与の負担を軽減することが可能です。ブラベクト錠はわんちゃん用、ブラベクトスポットはねこちゃん用を
ご用意しております。
【ネクスガード、シンパリカ】
わんちゃん用のおやつタイプの予防薬です。皮膚がデリケートなわんちゃんにおすすめです。
わんちゃん、ねこちゃんを病気から守るだけでなく、私たち自身の健康を守るためにも是非予防はしっかりと行いましょう。ご相談やご不明な点がありましたらお気軽にスタッフまでお尋ねください。