ハリネズミのダニ症
2020.06.20第1回ということで何についてとりあげるか悩みましたが、今回は昨今人気のペットであるハリネズミの
「ダニの寄生」について解説しようと思います。
ハリネズミは90年代から日本で飼育され始めた比較的新しいペットですが、
今やホームセンターでも見かけるほど一般的になりました。
そんなハリネズミにも犬や猫と同じく様々な病気や感染症があります。
そのうちの1つが「ダニの寄生」です。特に子供のハリネズミを飼育する際には問題となることが多く、
日本のハリネズミの実に2~3割がダニを保有しているとも言われています。
ハリネズミに寄生するダニにもいくつか種類がありますが、最も多くみられるのが「疥癬ダニ」の仲間です。
疥癬ダニはハリネズミの皮膚にトンネルを掘り、非常に強い痒みを引き起こします。
またダニの雌はトンネル内に産卵するため、ダニの数は増えていき、症状も強くなっていきます。
針が抜けたり、フケが多く見られたり、後ろ足でしきりに体を掻き、重度の場合は出血することもあります。
また、ダニが多数いる場合は落ちたフケが動くのが見えたりするかもしれません。
ダニが寄生しているかどうかは、動物病院で皮膚検査をすることにより分かります。
皮膚をすこし搔きとったり、テープでフケを採取し、顕微鏡で見るとダニが観察できます。
ダニの寄生が確認された場合は、外用薬による治療を行います。
犬や猫に対して使うダニの駆除薬の容量をハリネズミ用に調整して使用します。
駆除薬はダニの卵に対しては効果が薄いため、多くの場合1,2週間ごとに3~4回は投薬が必要となります。
治療が終わった後も、またダニに寄生されたハリネズミをお迎えした場合はうつる場合があるので注意です。
以上、「ハリネズミのダニ寄生」についてでした。
ハリネズミには疥癬ダニの皮膚炎以外にも様々な感染症があります。
子供の場合は重症化する場合もあるので、ハリネズミをお迎えした際には一度動物病院で
チェックしてもらうことをお勧めいたします。