マクロラブダス(メガバクテリア)症
2020.08.03インコ、オウム、文鳥などの鳥類も犬猫と同じく、感染症で命を落とすことがあります。
中でも身近なものが「マクロラブダス症」という胃腸炎を起こす感染症です。
症状として代表的なものは、元気消失、嘔吐、食欲不振、下痢
があります。軽症から重症まで様々ですが、
だんだんと痩せていき死んでしまう恐ろしい病気と言えます。
マクロラブダスとは、2003年にMacrorhabdus ornithogasterと命名された、
比較的新しいカビの仲間です。以前は「メガバクテリア(巨大細菌)」と呼ばれていたりしました。
今でもメガバクテリアと呼ぶ先生が多いかもしれません。
多くの鳥類に感染しますが、セキセイインコ、マメルリハなどで重篤な症状を示すことが多く、
オカメインコなどでも幼若個体や、免疫低下時に発症することがあります。
マクロラブダスは現在多くの個体に感染しており、日本国内のセキセイインコの約2割が
保有しているという報告もあります(喜代濱 2014)。
マクロラブダスは感染個体の嘔吐物によって感染が広がると考えられており、
マクロラブダスに感染している個体は他の鳥と隔離することが推奨されます。
(ちなみに鳥類以外に悪影響はないと考えられます)。
マクロラブダス症を発症しているかどうかは、臨床症状に加え、
糞便検査でマクロラブダスの菌体が検出されるかどうかによって判定されます。
抗真菌剤の投与に加え、強制給餌や点滴などの支持療法によって治療していきますが、
削痩を起こした重症個体では回復に時間がかかることも少なくありません。
嘔吐や未消化便、体重減少が見られたら、まず動物病院に行き検査をしてもらうことが重要です。
その際、嘔吐物や便を一緒にもっていくとより良いでしょう。